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財産を確実に利用する…取り消し不能の定期借地権!
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定期借地権
『土地』には、どんな価値があるのでしょう…。まずは、財産価値。そして、利用価値。
土地を買って所有すれば、「財産」になります。土地に、「財産価値」ではなく「利用価値」だけを求める場合、『定期借地権』の活用が考えられます。
土地を一定の期間借りて、期限が来たら返します。借りている期間に、その土地を利用するわけです。
遺産と遺言
「定期借地権」は、土地を有効に利用するだけではなく、親族間の財産問題を解決するための手段にもなります。
相続させる財産(遺産)を生前に決定する方法に、「遺言」があります。
《あの土地は長女に相続させる》という「遺言」を父が残せば…
『あの土地』は、「遺産分割協議」も他の兄弟の印鑑も必要とすることなく、長女が相続できます。
ただし、確実に『できる』のではなく、あくまでも『できるはず』なのです。
遺言と遺留分
《確実に「できる」のではない理由》が、二つあります。
第一に…「遺言」は、取り消しや書き換えが、いつでもできることです。
第二に…「遺留分」の存在です。「遺言」があっても、他の相続人が「遺留分減殺請求」を起こして財産分与の請求をすることが、法律で認められているのです。
ですから、「遺言」では《長女が確実に相続できる》とまでは、言えないのです。
利用権の確保
相続前(父の存命中)に長女が「あの土地」を利用している場合は、親と「定期借地権」の契約をしましょう。
「あの土地」の「利用価値」を確保するために、「あの土地」を、一般定期借地契約として賃貸するわけです。ここで、「あの土地」の上に在る建物が親名義なら、売買や贈与で長女に名義を移します。
期間は、50年・100年・1,000年‥自由です。親には、妥当な金額の地代を支払います。地代に当たる金額を、年1回親から贈与してもらうのもいいですね。
契約と遺言
「定期借地契約」は、親との『契約行為』であって「遺言」ではありません。ですから、「遺言」のように取り消すことはできないのです。
「あの土地」の「財産価値」は、遺産分割の対象になるでしょう。しかし、「利用価値」は確実に確保できます。
「あの土地」を長女以外が相続したり後に第三者に売却されたとしても、長女は「あの土地」を借り続けていられます。親との契約が有効な限り、土地を利用する権利があるからです。
土地の貸借
以前は…親の土地を使う権利形態は、民法上の『使用貸借』とされ、税務上の制約がありました。「使用貸借」は『無償の貸し借り』なので、権利としては極めて弱かったのです。
現在は…「定期借地権」という民法上の『賃貸借』とされ、強固な権利を確保することができます。「定期借地権」を使うことで、「財産価値」と「利用価値」を分離できるわけです。
土地からの収益
借地上の建物がビルやマンションの場合、「利用価値」は『収益力』ともいえるでしょう。子供や会社が、安い地代で土地を借りてビルなどを建築すると…家賃は、子供あるいは会社の収益になるからです。
ただし、『税』には注意が必要です。「定期借地権」が設定された土地の物納が始まっていますが、まだ定着していません。〈定期借地権設定時に贈与課税はない〉‥とされてはいますが、事例がないだけなのです。
物納を前提にすると、リスクがあるかもしれません。大規模な収益性が見込まれる場合は、慎重にしましょう。


